有罪 その他 重大
業務上過失傷害被告事件
✦ AIによるわかりやすい解説
病院で患者を取り違えて手術をしてしまった医療事故事件です。麻酔医が患者の確認を不十分に行い、疑問が生じた後も確実な確認をしなかったことが問題とされました。最高裁判所は、手術に関わる医療スタッフは組織的なシステムがない場合、それぞれが責任を持って患者の同一性を確認する義務があると判示し、麻酔医に過失があったと認めました。
裁判要旨(原文)
1 患者の同一性確認について,病院全体の組織的なシステムの構築,医療を担当する医師や看護婦の間での役割分担の取決め,それらの周知徹底等を欠いている場合には,手術に関与する医師,看護婦等の関係者は,他の関係者が上記確認を行っていると信頼し、自らその確認をする必要がないと判断することは許されず,各人の職責や持ち場に応じ,重畳的に,それぞれが責任を持って患者の同一性を確認する義務がある。 2 患者を取り違えて手術をした医療事故において,麻酔を担当した医師には,(1)麻酔導入前に,患者への姓による呼び掛けなど患者の同一性確認として不十分な手立てしか採らず,患者の容ぼうその他の外見的特徴などをも併せて確認しなかった点において,また,(2)麻酔導入後に外見的特徴や検査の所見等から患者の同一性について疑いが生じた際に,他の関係者に対して疑問を提起し,一定程度の確認のための措置は採ったものの,確実な確認措置を採らなかった点において,過失があり,他の関係者が同医師の疑問を真しに受け止めなかったことなどの事情があるとしても,同医師において注意義務を尽くしたということはできない。
事件の基本情報
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 判決日
- 平成19年3月26日
- 事件番号
- 平成15(あ)1033
- 判決内容
- 不明